箏の絃に印をつけるお話。

箏の藤崎です。

私なりの箏ワンポイント、スタートします!

お箏をやっている方も、お箏を全くやっていなくてわけわからない、という方にも、写真多めにおもしろく(なるか?)紹介していきますので、へえー、箏ってこんな楽器なんだー、と思ってどうぞお付き合いください!

 

一番初めのお題は何にしようかなー、と思っていましたが、「箏の絃に印をつける話」にしてみました。
ということで、私なりの印のつけ方です。

 

箏という楽器は、1曲ごとにその曲に合わせた音階に作り変えて演奏する楽器です。
(これが大変といえば大変だし、良く言えば何でも弾けちゃう!でも途中の転調はやっぱり大変!)

で、わたしの演奏スタイルでは、ほとんどの場合、1面(箏は1台ではなく、1面と数えます)の箏で、すべての曲を演奏します。
その場でどんどん調絃(箏のチューニングのこと)をすばやく変えていきながら演奏しています。

なので、あらかじめ(リハーサルのときなど)それぞれの曲にチューニングした印を絃につけておき、それを頼りに本番のときは変えています。
音はチューナーと響きを耳で確認しながらとります。(また別に今度、調絃やチューナーの話を書きます。平均律や純正律のことにも触れたいです。)

 

そうですねー。演奏時間によりますが、1回のライブやイベント演奏で7曲~10曲くらい。

どんな音にとっているかというと、薫風之音の曲だとドレミの音階です。
例えば「月ノ雫」は、13本の絃をE A B C D E F# G A B C D E にとります。
他の薫風之音のオリジナル曲やポピュラーアレンジ曲で、さらにC#になったり、F#をFにさげて、B♭なったりと、いろいろ曲によって変わってきます。

そこに、「春の海」も同じ箏で弾きますし、平調子(箏の古くから使われている5音階)を基準としたチューニングやその変形のチューニングの曲も弾きます。

ということで、絃にはいつもたくさんの印がカラフルについています。

カラフル??

何でつけているかというと、色鉛筆。
「ダーマトグラフ」というワックスを多く含んだ色鉛筆を使っています。

 

 

芯を出すのに、紙をくるくるってめくっていくんですー。(この作業好き)

 

わたしの場合、色は赤、緑、の三色使っています。

いろんな色を試しました。
黄色やオレンジ…薄くて見えにくい。
ピンクと赤…色の区別がつきにくい。
緑と青…ちょっと暗いところだと、同じ色に見える。
茶色…箏の本体(桐の木)の色と同じで同化するじゃん!?

はたまた、会場の照明が暗かったり、凝った素敵な照明にしてくださったりした場合も、色がわかんなくなったりしました。

結果、赤と緑と黒が、はっきりくっきりで、一番いい!
となりました。
この3色をいつも使い分けています。

 

 

どこに印つけるか?
わたしは箏柱(白いブリッジ。これを動かして音程を変えています)の真ん中につけています。

 

 

ここでつけ方のコツです。

印をつけている手は狙いを定めたらそのまま動かさず、左手で絃をぐりぐり回すと全方位きれいにつきます。
このとき、少し左手で絃を持ち上げながらつけると、箏柱に色が移りにくくなります。

 

でも、どうしても箏柱は動かすとき、糸がのっている溝に色がつきやすいです。
そんなときは、ウエットティッシュで箏柱を拭いてきれいにしてあげています。(あ、プラスチックの箏柱ですよー)

 

 

曲数が多くて調絃も違うと、印がすごいことになりますが、色が多くてもかえって混乱するので、3色までに留めています。
演奏が終わると全て消すのですが、消すときはこちら!

たこ糸を使って簡単に消せます。
このたこ糸は近所の100均で売っているもの。細すぎなければ、なんでもOKです。

 

 

消し方のコツです。

左右にたこ糸を持ち、絃に一回転まく。
そして右手と左手で引きながら、印のところを左右に行ったり来たりを3回ほど。
これで消えます!

 

以上です。
実は他にいろいろな印のつけ方はあります。

・箏の甲(箏の表面の木)に直接チョークでつける方法
実は、わたしが指導している新潟市のジュニア邦楽合奏教室では、こちらのやり方です。
本番の時は、お箏30面くらい使い、印つけるのも大変です。
メリットは、印をつけたり消したりが早くできる、また子どもがパッと見ても印が見つけやすい、などです。
デメリットは、箏の甲にチョークつけるのは、やっぱり楽器が痛みやすい。

・フリクションでつける方法。
消えるペンです。きれいにつきます。ちょっとした印ならいいですよね。
デメリットは、勝手に消えてしまうことがある!
これは、以前野外イベントでの演奏の時のことです。
暑い夏の日でした。リハーサルで演奏しようと楽譜を見たら(フリクションは楽譜で使っていました)、消えているーーーー!!!!
幸い、五線譜は印刷なので大丈夫で、糸をふって(五線に絃名を書くこと)いたのが全て消えていました。(フリクションは摩擦熱、60℃以上になると消えるペンなのです。黒いバインダーに楽譜をいれていたので、熱も集中したのでしょうね。)
これ以降、フリクションは便利だけど危ないペンだ、という認識です。

 

 

ということで、
私なりの箏ワンポイント、1回目から長くなってしまいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
写真多めにとがんばってみましたが、思いのほか写真を撮るのに時間がかかって難しかった!

今回のお話が、何かの参考になったり、お役に立てればうれしいです!

 

次回は、同じ「印」つながりで、「ハーモニックスの印のつけ方」を書こうかなー、と思っています。
どうぞお楽しみに!

 

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